俺達が2年半で集めた1円玉5千枚。重さ5kgのアルミ達とついに別れる決意をした4人。 チャレンジ同好会として4人が集まったのは久しぶりのことだ。メンバーは大学1年二人と高校2年二人という一見ばらばらなチームだが、一年前は同じ立命館宇治高等学校に通う仲間だった。チャレンジ同好会を卒業した今でも続けていたのが1円玉集め。ついに5000枚を超えてしまった。高校卒業までに何かしようとは計画しつつも時間に流されてそのまま集め続ける日々が続いた。そしてこの時が来た。夏休み、俺達にとって4人が再び挑戦する絶好の舞台だった。 俺達チャレンジ同好会の最大の敵をみなさんは知っているだろうか?それはずばり天気だ。活動はほとんど外なのだが、それにしても神様がいるのかと思うほど、俺らの活動予定日には雨が降る。感覚的な問題ではなく企画全体の約8割(約15回企画中決行3回)が雨なのだ。自分達でも信じられないが本当だ、今回も22日はみんなも知っているように台風が上陸するという噂で風がはっきり言ってかなり吹いていた(もぅ忘れたやろな)。ふざけんな!!とは思いつつも、いつもの天候の悪さに笑顔も隠せなかった。しかし結果は素晴らしかった。俺達は埋めたんだ!! 22日、俺ら4人はかなりばらばらに俺家に集合した。2時にIさん。7時半に007。8時に3人で車で迎えに行ったヨネ。そのまま車で向かった先は我らが母校立命館宇治の旧校舎。なぜ旧なのかというと、この夏明けから晴れて立宇治の校舎は京都の中で移転するのだ。母校の裏に車をとめて進入する。もちろん5kg近い1円玉や懐中電灯、連絡用携帯電話、土を掘るためのダイソースコップ、護身用エアガンなどを持って。黒いスポーツバッグを重そうに抱える姿は、まさに現金輸送中って感じで、勝手に盛り上がってしまった。 旧校舎の土は固かった。俺らは宿直さんの見張りを立てながらも埋める場所を探した。丁度校舎移転ということもあって、中庭にあった学園創始者の胸像が地面から根こそぎ抜き取られていて、そこに最初から穴が開いていたがやはり硬かった。宿直偵察部隊と埋める場所探す部隊に分かれていたのだが、そこで作戦失敗。胸像跡で辺りを探っていたら、ヨネが男女2人の人影を発見、逃走して偵察の二人を電話で呼び戻した。ところがその男女の人影はIさんと007の男二人だったのだ。二人は俺らが逃げていく姿を笑いながら追いかけたと証言しているが、運動場に出たときは俺らの姿が無かった、とヨネと俺の機敏な逃走を褒め称えていた。 いろいろと悩んだあげく、新校舎の方に埋めようという話になった。新校舎の方はまだ建設途中で人も居らず、山奥でもあるので人も少なかろう、しかも午前中に偵察に行ったのだがその感じだと土は柔らかい。 Iさんと俺で偵察に行った写真が ![]() まぁそんなわけで車も余裕で停めれるやろうしってことで行ったんですわ。 予想外でした 夜中の1時回ってるのに行き止まりであるはずの新校舎裏道に車が入ってきます。僕らが着いた時にはランニングのおっちゃんとか車が数台停車していてすでに不安だったのですが、そっからまだ来るか!!って感じで車から出るにも出れず、とりあえず停車してる振りしてエンジン消して4人で作戦ねってました。 後ろの車が怪しいんです!! 俺らの後から来た車が後ろ20mぐらいのとこで停車してるんですが、ふと見ると男女でなんかいちゃいちゃやってます。しかも妙に二人の真ん中に何か隠しているのか、お互い真ん中の下をずっと眺めています。カーナビのTVかなぁ。チェスしてるんや。いや、たまに上見るからあれは黒ヒゲ危機一髪やな。4人は1円玉の埋葬という目的を忘れて後ろの車の男女に見入ってしまいました。15分ぐらいたったでしょうか。15分もその二人に付き合っていた俺らはかなりの暇人なんですが、突然助手席の背もたれが倒れた!?なんか男性が1人でペットボトルかなんか飲んでます。そしてゆっくりと助手席へかぶさっていきました・・・体は隠れながらも右手は車内の電気を消そうと動き回っています。消えた!?まぁそっからは深くは追求しませんでした。護身用エアガンと買ったばかりの記録用CASIOカード型デジカメを持っていたのもあって、007に ちょっと行って職務質問して来い!?とか計画しつつもやはり本来の目的を忘れるわけにはいきません。そうそう埋めないと・・・・・ |
結構穴おっきいよ?ランドセル4つ入るぐらいのデカさを掘ったからね、30分ぐらいで。その間に変わる番こで金庫に入れる手紙を書いて。1円玉は金庫ごと入れたから、まぁ全く密封性も耐水性も無いけど♪銀色の槍みたいなのを新校舎グラウンドに落ちてたのを007が見つけてくれたお陰で作業が数倍短縮されたね。本真やったら3時間のとこが30分と読んでる、そうやとすると6倍のすごさ。とにかく土は固いから尖った棒をつきさして少しでも柔らかくしてから弱いダイソーのスコップで掘る。効率よく掘れちゃって惚れちゃって。もうその勢いで一気に |
5千枚ってなめちゃいけませんよ?まじで多いから、手ですくってもすくってもまだまだあるから。もうこんなけ掘ったら誰も気づくこともない、俺らがあけるまで永遠に宝は眠り続けるのだ、誰かが抜け駆けしない限り。ったくもっと1円玉滝とか撮っとけばよかったな〜。とにかく目的完遂したんでやっぱり記念撮影したいって。そん時は人通りとかも気になってたしね〜新校舎の真裏で宿直室とか電気つけっぱなしみたいやったし。でも今から思えば夜中に山で何が光ろうが「なんやあれ」で終りですよね普通。というわけで
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なにぶん真夜中の作業やったからもぅ目が眩しくて眩しくて。4人とも努力したんですけど、やっぱりアホ顔になってしまいました。左端のIさんなんか5枚撮ったのに5枚とも目つぶってやがるし。まぁおそらく一番ましな画像はこれですかねぇ |
一番頑張って目を見開いたって感じでてるでしょ。口を食いしばりでもしないとあんな閃光に耐えられませんから。画像の名前をitiensuzukiにしたのには訳があります。実は金庫を写真の中央にある木の根元に埋めました。その木を「鈴木」となずけました、訳ありで。そして背景に写っている点々とした灯りは近鉄大久保の辺りでしょうか。昼間なら新校舎も俺の頭の上ぐらいに写ってるはずなんですが、そんなことまで言うと位置関係から場所が割り出される可能性もあるので伏せておきます。まぁ一番のヒントはIさんの頭の上の赤白棒やろぅけど・・・ 10年後か2年後か、多分いつかは自分達で掘り返しに来る日がくるでしょう。ひょっとしたら死に際に宝の地図を誰かに託すかも知れません。あぁどーなってるか楽しみやなぁ1円玉と手紙。というわけでおしまい 誰が抜け駆けするんでしょ〜ね〜
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