日帰り尾道
〜おいしいラーメンは好きですか〜

◆なぜ訪れたか◆

神戸大学応援団総部吹奏楽部第37回定期演奏会in神戸文化大ホール。


めちゃめちゃ漢字ばっか。でも、演奏はとても美しい音色。


とにかく、そのコンサートは午後18時開場、18時半開演


しかも、京都から神戸まで往復すると2100円やで。

青春18切符で本気出すしかないやん!?


調べてみたら、最寄り駅を始発で出ても広島駅まで行ってたら神戸18時には間に合わん。即折り返しても間に合わん。

しかし、岡山やと余裕がありすぎる。
そっから香川へ行って讃岐かな……と思った瞬間、JR広島とJR岡山のど真ん中に「尾道」という素晴らしい駅を発見。


というわけで、徹夜のまま始発で尾道へ向かったわけです。ラーメン列車!


◆持ち物について◆

今回は本気ということで、財産の中でも高価なものをかばんに詰め込んでみた。


我がかわいい資産達よ!

シャープの電子辞書:2万円
逆転の発想(糸川英夫著):当時860円
ソニーのウォークマン:1万円
荒井由美「Yumi Arai 1972-1976」
シャ乱Q「勝負師」
kiroro「長い間〜Kiroroの森」〜」:上記3点で6千円
京セラTK41 byツーカー:実質価格2万円
ビスコ:税込31円
ニンテンドーDS+マリオ64DS+ケース等:2万円


計6万円ぐらいやで。財布の中身とかも合わせたら8万。この程度が俺の本気。


◆旅立ち◆

とりあえず、駅に着いた瞬間にイヤホンを忘れてきたことに気づいたから、CDプレイヤーは無意味になった。あれはさっそく痛かった。
DSも音量ゼロで楽しむしかなくなったし。まだ始まったばかりの旅がとんでもなく憂鬱になった。


日曜の始発にも関わらず、30人弱乗ってる。ありえん。ここで寝たら、俺の大事な財産が盗まれるかも知れん。気をつけねば。


◆西行きの電車が東へ…◆

で、なぜか京都駅で1本早い電車に乗れた。と思ったら新快速ちごて快速やった…。

しかも、姫路行きのはずやのに、「次は守山」って表示でてるし。滋賀県に連れてかないで!

姫路と守山は180゜逆方向やからね


でも高槻(山科)で表示戻った。米原発と勘違いしてたらしい、電車も寝ぼけるんやな。

おかげでネタがなくなったし眠くなってきた。目覚ましをかけた。
姫路まで行ってそのまま折り返してたら洒落にならんからな。時間との戦いや…。

フードがあると防音防寒で寝やすい!

──で、うるさい神戸で目が覚めた、7時前。膝が凍ってる!窓際の席はあかん!
思えば11時間後にまたここに戻って来るんやなー。というわけで、


急いでピ9起動。

※ピ9とはピクトチャットの略称で、ニンテンドーDSに内蔵されてるソフト。
50m以内ぐらいの他の本体と無線通信でチャットができる。


が、購入して3日、未だに誰ともつながったことがない。それでも誰かに会いたくて、起動するたびにピ9を立ち上げる俺は、宇宙人の存在を信じて宇宙に向けて電波を発信し続ける変態科学者となんら変わりない。


それ以降、駅に着くたびにピ9起動。
でも誰も朝からそんなもん起動してへん。駅が一番会えると思うねんけどなー。


◆ピ9断念秘話◆

舞子っていう駅があって、その次があの標準時刻な明石なんやけど、タッチペン使って「明石!」って書こうとしたけど明子って書いてしまった。ピ9終了。


姫路でもピ9はつながらず…

7時54分、姫路に予定より早く到着。岡山行きへの乗り換えまで5分。

↑姫路から岡山・広島までの、強制的な普通電車の旅。駅の位置関係を録った。


この辺ってかなり田舎やねんなー。南草津の北側ぐらいのんびりしてるわ。

山陰線みたいに1駅間がものすご長くなってくるし、もうここら辺りまで来るとピ9を起動しようとさえしない。どうせ誰もログインしてへんもん。皆無や。


だって、切符の検査しに車内を回ってきた車掌さんが持ってる手帳型の券売機でさえDSに見えたぐらい飢えてたからなぁ。


◆里帰りするおばちゃん◆

車掌が来たのをきっかけに、4人席の向かいのおばちゃんに声をかけた。
加古川から実家の岡山に行くとこらしい。60手前のおばちゃんに実家って言われてもピンとこーへんかったけど。
新幹線よりも普通列車で景色を見ながら行くのが好きらしい。切符は回数券。
電車から見える景色とか地方の名所とかの話してたらあっという間に終点。


9時22分、JR岡山駅に到着。乗り換えまで12分あり。
1回外に出たけど、ここは観光地やないと思った。便所が激しく汚いし臭う。


倉敷の隣に新倉敷駅があるんやけど、その2つは大阪と新大阪みたいな関係で、新倉敷からは新幹線に乗れる。
それに、岡山で乗った人はみんな倉敷で降りてった。
京都で言うと岡山駅=京都駅で倉敷駅=阪急河原町駅みたいな関係やと思う。



◆やってきました尾道◆

ついに到着、尾道!

意識朦朧としながらもついに来た!古寺と文学のまちやったんかー。
てっきりラーメン専門街やと思ってたわw

で、左下のおじさんが怖かったから拡大。

爺さん、喧嘩売らんといて。

眼つき悪いって。ラーメン食いすぎたらこんな顔になるねんで。


◆まつりやってるやん!◆

偶然にも駅前の商店街でまつりやってるらしい!
と思って行ったらめちゃめちゃ人少ない。商店街の遠くまで誰も居らん。
1分に1人ぐらいしかすれ違わんねんで。あまりにも少ないからお店の人に、地元の人は一体どこに行ってるんかって聞いたけど、分からんって言われた…。

まぁ、パンフを見ながらゆっくり歩いてたら、店からおばさんが出てきてどこ行きたいんか聞いてくれたりとか親切な一面はあった。
あと、ゲーム屋ではDSソフトとか定価で売られてる。他のも高い!あかんわ。
でも、妙におもちゃ屋が多い。こけしも売ってるようなおもちゃ屋さん。


◆尾道ってこんなとこやったんや◆

今にも手前に転がりそうやったわ

尾道城の模擬天守閣らしい、観光用。でもこっちに傾いてるように見えて焦る。

ひょうたん島

やっぱり尾道は瀬戸内やから海の幸が豊富やろー。海釣りしてるぐらいやし。
でも、でかい島が近くにあるから海なんかどうかわかりにくい。香港以上に向こう岸が近い海やわ。瀬戸内海には無数の島々が浮いてるらしい。
まぁ、駅から既に海の匂いがしてるから海やとはわかるけども。


◆尾道ラーメンの存在◆

駅からまぁ5分ぐらいの海沿いに3軒の飲食店が合体したかわいい建物あり。

ホットドッグが売りでテイクアウト屋

ここの「すいご」っていう店がある。
帰ってきてから調べたら、地元の人は、アイスが美味しいとかホットドックが美味いとか書いてはる。食うときゃよかった・・・。

で、問題の中華そば。そう、ここの大将との会話から俺が思ったことを列記。

・魚介類は確かに新鮮なものが調達できるから、あっさりだしが特徴
・全国にある尾道ラーメンをやってる人は尾道の人間ではない
・尾道から食材を仕入れることはあっても、弟子入りなんて滅多にない
・自分らで尾道ラーメンなんて言わん。ここの大将は中華そばと呼ぶ。
・古い店は特に尾道ラーメンを作ってるなんて思ってへん、むしろ嫌ってる
・要するに「尾道ラーメン」は、よそ者が儲けるためにつけたブランド名

まぁ少々言い過ぎたが、ようするに地元でももちろん愛されてるラーメンやけど、それほど意識してへんっていうこと。京都で言う新撰組みたいなもんかも知れんな。


◆ロープウェイで千光寺◆

景色さいこーやで、やっぱロープウェイや!

尾道滞在2時間半のうち、1時間ちょっとをお寺と下山に使った。

山の上にある千光寺っていう寺には、ロープウェイが張ってある。乗るしかない!

志賀直哉とかいろんな人が来たらしく、その人らが詠んだ俳句が石に彫られて山道に置かれてる。
観光客が俳句を投稿できるポストもところどころにあるから、1つだけ書いた。

道の尾を探す我が背にぽつり雨

海が川みたいに見える

この千光寺の山頂に着いたあたりから小雨が振りだした。急いで下山してんけど、まぁ自分の人生のエンディングを考えながら下山してる、その背中を突き刺すようにぽつぽつと雨が降ってきたと。まぁ程度の低い作品やが、雨の中短時間で考えたわりにはまともとしとこか。


◆でっかいお数珠を廻して幸せ◆

なんかよぅ分からんもんがあった。
普通は鐘に紐がついててそれを振って鳴らすんやけど、ここのは違う。

井戸みたいな滑車に太い紐のわっかがかかってて、紐には数珠みたいに木の玉が通してある。それをゆっくり廻しながら幸せを願うとなんかが起こるらしい。これは珍しいと思った。


◆予定より早めに尾道を出発し岡山へ◆

15時前後、岡山到着。神戸に18時に着ける電車まで45分ほどあった。
外は雨やって、結局街中を出歩くことはできんかった。でもこいつだけは撮った。

お腰につけた吉備団子よこせ!

きびだんごって漢字では吉備団子って書くねんな。黍っていう材料の黍団子とかけてるだけなんかな?吉備は備前・備中・備後とか、岡山県の地名やんな。


◆流石は桃太郎さん、刀削麺とは恐れ入りました★

岡山の駅構内フードフロアに「餃子拉麺博物館」という店があった。

この刀削麺というもの、ただものではない!画質悪いけどムービーどうぞ。

見えた?麺の塊を包丁で削って鍋に投げ入れてるん見た?


やっぱり手の技やから、麺の厚さは全部ばらばら。削ってるから横幅がある。
もちろん麺は短い。めちゃくちゃ食べやすかったわ。ワンタンみたいで麺を探してまうけど、このワンタンが麺ってことに気づくのに時間がかかる。

中国の白菜(ぱくちょい)に葱と白葱に素朴なチャーシュー。スープもなかなかやし、尾道よりもこっちの方がびっくりした。別に岡山の名産品やないけど。むしろ中国の名産品やろうし。


◆いざ神戸!◆

岡山に乗った瞬間にまたまた4人席の向かいの人に声をかけた。

相手が若かったらそんなん無理なわけで、今度は50半ばのおばちゃん。

そのおばちゃんと、神戸までの2時間ちょいをずっと話し続けた。
というのも、その人の息子さん一家と俺に共通点が多かったため。

西宮に住んではるが、震災(5時46分)の時に既に起きてて風呂に入ってて裸で…っていう話や、中学受験の話。息子さんの好きな作家が俺と同じ星新一。海外へよく行くらしく、国際的な視野の持ち主。

おまけに、就職の話ではベネッセとかいいですねって話したら、なんとおばちゃんは赤ペン先生やった…。そっからベネッセの企業体質の話から任天堂まであっという間に神戸に着いた。いやー楽しかった。旅、というかおばちゃんはいいね。青年キラーやわあのおばちゃんは。


◆いよいよ定期演奏会◆

やっと、やっと本日のメインイベントに辿り着いた。小雨の神戸、ピ9使えず。

神戸大学の定期演奏会はものすごい規模やった。
2千人以上入ったんやろーな。行列の長さにびっくりした。

久しぶりに演奏を聞いたけど、やっぱり吹奏楽の良さはそれぞれのパートが協調性をどこまで引き出して、1つの壮大な音に仕上げていけるかの駆け引きやな。まぁ楽器やったことないけどそうやと思うわ。

80人という人間が音をそろえて行くわけやから、そら練習量も半端やない。
加えて定期演奏会では4回生は卒業講演になってくる。感動の舞台になるわけや。

あれはまつりや。まつりとしか言いようが無い。おれも泣けるまつりを作りたいわ。



というわけで、終電の2本前で帰還。
おそらく片道6千円はするから、2300円の18切符は恐るべしパワーを発揮。

この冬には18切符を3枚も買うことになる。なかなか楽しい旅ができる!



尾道ならもっかい行ってもえぇな〜

04年12月16日