2004年3月16日から25日までのオーストラリア・ソロ旅行連続小説ここに開始。 3月16日午前6時半、1時間半に渡る桃鉄を終えると同時にタクシー到着。 さびしい1人の旅行のはずが、出発だけは賑やかに5人。 華やかに見送られた俺は、運転手と「海外に憧れる学生達」というテーマで他愛も無い会話をしながら関空へと向かった。 京都南インター付近でタクシーが集合し、小型バスに乗り換えた。 席に座るなり、隣の外人が「おはようございます」と声をかけてくれたので、こちらも挨拶し「どこ行くんですか?」と聞いた。返事は「パードゥン?」でした。 その人はドイツ人で、友達がリュッセルドルフかどっかに住んでた話やカーンが車のCMで有名になった話などをしてたら空港到着。 最後に、2年後のワールドカップで会いましょう、と契りを交わして別れた。 ![]() なんとなくたこ焼き煎餅を購入。ケータイからメールを送ってさよならを告げた。 そもそもオーストラリアへ行くのに香港を経由するという無駄骨。 だが電光掲示板には(経由地:台北)と書いてある。全く聞いてません。 台北まで爆睡。次に起きた時には香港に向けての離陸加速中 & take off。 次に起きた時には、わけわからん英語と共に温かいサンドイッチが手渡された。 ウーロン茶がウーロンティーで通じた。緑茶もリョクティーにしてくれ。 香港国際空港では、4年間ぐらい隠してた240香港ドルをTシャツ2枚で消費。 帆立貝みたいな形の丸いケータイやGBAみたいにゲーム機風にボタン配置されてるケータイがあって、日本人の感性の鈍さを知った。でもFOMAより高い、相場は4万円前後。それに、着せ替えケータイは当たり前っぽかった。 シドニー行きは7時でケータイの時計は6時。とそこで1時間の時差に気づく、まだ5時。もし逆に1時間早かったら終わってた・・・ジャスティス! ちなみにシドニーは悉尼、バンコクは曼谷と書きます。カタカナ便利ですわー。 "やかましい香港人の笑い声わしのことかとまた振り返る" → 待ち時間:90分 機内でまず目に飛び込んできたのが、パンツとシャツの間から肉片を大きくはみ出しながら腰を大きく振って歩く人。この人、搭乗前から気になってました、忘れられない。 16日19時(シドニー22時)香港離陸、7400kmの赤道横断長旅が始まる。 乗客は7割が白人で他はアジア系、日本人は見当たらず。 英語でラストサムライの中国語字幕を楽しむ、泣ける。最後の天皇が勝本の死についてトムに問う場面 "Tell me how he died." "Tell you how he alive." キャセイ・パシフィック号泣。機内食のスイカとメロンは季節外れで美味かった。 ちなみに英国のグリニッジはグリーン・ウィッチで格林威治と書く。神隠少女=? 17日水曜日8:45、シドニーの中心駅前風景、果物を生でかじってる人多し。 まるで休日かと思った。ベンチで抱き合って動かないカップル。じっと息子を見つめる親父と首を横に振り続ける息子。 3時間ほど歩き回ったら昼に。既に4・6・10人の共同部屋は満員、もっと早く来なあかんとのこと。今夜はどこで寝ようか・・・。 ![]() 宿を求めてフェリーに乗り、シドニーから北東15kmのマンリーへ。何を隠そう「ミッション01:Mr.ケバブとの接触」開始。 脱力。彼の背中が見当たらない。心の中で、涙がぽたぽたとこぼれ落ちた。 結局、KEBAB屋の向かいのホテルに泊ることにした、$70(約5800円)。 ドアノブ部分がえぐれていて、新しく錠が取り付けられているような部屋でもほっと一安心でベッドに倒れこんだ。 街行く人は殆ど半袖で、半分ぐらいサンダル(特に女性)で、たまに裸足。 早くも「ミッション02:ホストファミリー再会」に突入、136番バスでbeacon hillへ。 バスでは海遊び帰りの中学生ぐらいの女の子達に囲まれ、ケータイで遊んで騒いでる姿はどこの国も同じやと思った。 2年半前に2週間毎日通った経路の景色は半分ぐらい覚えていて、曲がり角はほぼ分かった。下車直前の直線に入った時、緊張してボタンを押す手が震えた。 記憶に新しい道を歩きながら、この茂みで立小便したなぁなどと思い出にふけった。 家の外からハイジ(ジェシカ母:推定33歳)がソファーで横になっているのがみえた。ドアを叩くと飛び起きたのも見えた、が、すぐに隠れた。 叩く前に英語考えときゃよかったと思ってる間にドアが開いた。彼女の顔に変化はなかった。こんにちは、ごぶさたしてます、僕を覚えていますか。3秒ほど経って、you came from Japan? と返ってきた。そんな流れで中へ入れてもらい、マスカットを食べて帰った。(※マスカットは皮ごと食べるのが原則) 0歳だったエディーは3歳になっていた、既に俺の英語を凌駕していた。 彼の自己紹介はとても面白く、「僕の名はエディー、このTシャツは僕のだよ」と言って、胸元を開けて見せた。彼は姉のジェシカをmy friend Jessyと呼んでいた。彼とファインディング・ニモを見て、ジェシカの学校が終わる5時を待った。 ジェシカはかわいらしく成長していた。でもわしのことを忘れていたことはかわいくなかった。彼女が昔描いてくれた絵を見せたが、これ私が描いたのね、信じられない、といった顔だった。 帰り道は4人でゆっくり散歩、小学校の宿題の話とか楽しかった。途中、アスレチックやブランコで遊んだ。そのままバス停で別れたが、2人はかけっこしていたので俺には2人の背中しか見えなかった。 18日、10時ぐらいに起きて身支度。Mr.ケバブの真相を探るためにホテルを後にする。 ビーフ・チリ・ケバブを注文し、焼いてもらっている間に写真を取り出す。 「彼を探しているんです。これは2年半前の写真です」。彼の顔を指さした。 男の口からfinishという単語が聞こえた。解雇!?やはりもう居ない。もう1人の仲間にも聞いてくれた。すると彼の口から、「こいつは長期休暇でトルコに帰ってるんだ、よく知ってる仲だよ。2ヶ月したらここに帰ってくるさ!」という希望に満ちた答えが返ってきた。こうして、僕達は再びこの夏にもマンリーへ来ることが決定したわけです。ヒロマス・※丘・mo、心の準備は、できてますか? マンリー港で$40(約3333円)のWeeklyチケットを買う、これはバス・フェリー・地下鉄に乗れてとても便利、どんどん活用するべきカードだ。 シドニーのセントラル駅から5分のところに、相部屋も個室もあるめっちゃサービス充実のホテルがある。"Wake up"という名前で、立地も良いし最高。G階にはインターネットも夜通し完備。10人部屋やと2000円ちょっとで中心地に泊れる。 残念ながら個室しか開いておらず、同じく$70で2段ベッドを独占、テレビ付。 お昼を過ぎ、ラーメン屋探しを兼ねて街中を歩き回るも、ネットカフェにつかまり1時間ほどメールを返した・・・・・・。 ![]() Mr.ケバブと愉快な仲間達(撮影:02年夏) インターネットを離れ、やって来ましたミッション03:スターシティー・カジノ。 リュックサックを預けてあっさりと中へ。体育館3つほどの広さに、スロットやルーレット台などがゆったりと並んでいる。ポケットの中で財布を握り締めてはいたが、最初の1時間ちょっとは観ていることしかできなかった。 意を決してブラックジャックへ。ルールは2種、分かりやすいmust draw 16, must stand 17の台、もちろん最低掛け金が1番安いディーラーを選択。$10、約800円から。$40を$5チップ8枚にチェンジ、全敗。 意を決して$85をチェンジ、さっきの$40と合わせて日本円で1万円になる計算。かかってこいやー!!という心境で望む。 インド人と白人の間で調子が出てくる。彼らはルールや考え方など助言をしてくれる。スプリットやダブル、いずれも細かいルールも知らずにヤフーゲームで遊んでいたが、ここでは1度のゲームが1回分の食事に相当する。 なんとか$125を残して席を立った。だがしかし、脳裏に悪魔のささやきが・・・。 イーブンで帰ったら弟に示しがつかない・・・同じように旅行に来た彼は馬車レースで1万円近くを儲けて帰ってきたから・・・。全額賭ける、それしか道はなかった。勝てば官軍、負けたらネタ。その言葉だけが俺を突き動かしていた。 天国と地獄、black or red!! 出た目は29の黒。$125のチップは・・・赤。 以来、私は"29"のことを"デーモン諭吉"(別名:腹黒い福沢のおっちゃん)と呼んでいます。 ![]() 父の友人を訪ねて、シドニーから列車で12時間。3Lの水を飲み干して午後7時半到着。 途中停車した駅はどれもちょっと走ると砂漠だった。都会って良いなと思った。 マイクの家のあるアーサーズ・クリークまでは40km、車で50分ぐらい。 オスカー・テリー夫婦(足の速い犬達)と猫、それからジェニー(マイクの奥さん)に出迎えられた。 朝の散歩は面白かった。彼の敷地はとても広く、散歩したら1時間ぐらいかかりそう。 マイクがテニスラケットでボールを飛ばし、オスカー・テリーがそれを奪いに走る。 牛の糞をかいくぐって草原を駆ける2匹、遠くにはワインにする葡萄園が見えた。 25歳になる老馬や牛達に餌をやり、自分はシリアルを1口。そこには爽快でのびのびとした毎日が広がっている。 問題は水。屋根が拾った水は全てタンクに貯まる仕組みになっているが、ここ5週間は雨がないと聞いた。ミネラルウォーターは貴重。旅行6日目にして2度目のシャワーを浴びる時も欲を押さえて節水した。 2日目の晩は、コールスロー(ケンタッキーのに近かった)とごっつい牛肉と鶏、なんちゃらサラダをいただいた。バーベキューセットが常に庭に出てたりとやっぱ文化の違いを感じる。もちろん室内も靴は脱がない。色んな場所に敷かれている綺麗な織り絨毯は踏みたくなかったなぁ。 ![]() 21日、マイク・ファミリーが所属するヴィクトリア・ポルシェ倶楽部が開催する群走+昼食会に参加させていただいた。 集合場所だったサービスエリア。最初は少なかったのに、時間ごとにどんどん多くなってきてそこら中ポルシェだらけになった。 「マイクの友達です」と大胆に切り込んで色んな人たち(多分お金持ち)と喋った。喋ったつもりでもほとんど聞いてた。 バーバラという人に「マサトシ」という名は長くて覚えられないと言われ、「マット」と命名された。かくしてポルシェ倶楽部での通称はマットに。本籍どこやねん。 しかも次の目的地までのナビゲーター役として、アニーというナイスバディーとドライブ決定。90分ほどの彼女の助手席は居心地がよかった。彼女の職業は「ロウワー」で後で調べたら弁護士だったり。1年目らしく、こき使われるけど楽しいとか。農園が多いのでフルーツ狩りのことを聞いたり、酒も運転も18歳からだとか運転免許所有率は男女同じだとか色んな文化について話した。 子どもも親について来ていて、2人のやんちゃな兄弟とのhide&seek(隠れん坊)や彼らが教えてくれた数々のゲームもまた楽しかった。どことなく両極タイプの彼らが兄弟なのか終始疑問だったが、聞く暇を与えないトークとタックルのせいで聞けず。最後の最後まで盗まれていたペットボトルを返してくれた時、俺の足元に投げてきた。それをお母さんが拾って、「ちゃんとあなたの手で彼に返しなさい!」とおっしゃった。結局、ペットボトルの授与式が彼らとの別れになった。 ![]() >>ピンボール<< Windowsなら標準で入っているゲーム「ピンボール」。これが意外と面白かったりします。で、インターネットカフェという時間料金制と戦いながらもピンボール、やってしまいました。 調子がよくって、2度目の挑戦で380万点を記録。満足してやめることができました。ハイスコアなので名前を入力できるのですが、そこにメールアドレスを残してきました。誰か送ってこないかなー、「あなたの記録がランク外に落ちました」っていう報告とか。 ![]() >>少女の身投げ<< ポルシェクラブで訪れた海岸沿いのカフェ。視界の90度以上にまで水平線が真っ直ぐ伸びている。 ふと手前を見ると、女の子がじっと足元の海を見ている。やんちゃな2人と隠れん坊をしながらも気になって視線を送る。何分経ったのか、やっと彼女がこっちを向いた。その時は遠かったので表情は見えなかったが、それっきり彼女のすがたは無かった。 ![]() >>ショパン<< あちらの音楽ショップは本当に洋楽ばっかで、アジアの欠片もありません。 SMAPでさえ武器にならなくて動揺しました。誰も知らないオンリーワン。 で、ショップ内を見渡していて唯一みつけたアジア系の顔。 寄って見ると題名はショパン。苦笑。せっかく見つけたけどショパンって顔じゃないよ・・・。 ![]() |