会社員の冷戦
〜会社の歯車には成らねぇぞ〜



【第1話 プロローグ】

「明日から仕事かぁ〜、会社員って果てなき冷戦を続けてるようなもんなんよね。憎しみは表に出さず、他人に相手を攻撃させたりする。たまに一触即発の危機。誰も得しいひんし、むしろ損。やっぱり戦いとは、不毛の極みでんな〜。でももうWe can't stop状態なわけよwパレスチナかっつーの。」


好むと好まざるとに関わらず社内パレスチナ問題に巻き込まれた俺。
安全保障理事会は解決の手段となり得るのかーっ!



【第2話 戦国時代の終焉?】

俺は日々工作活動に明け暮れていた。

もはや敵と味方の区別もつかず、状況は完全に社内版戦国時代と化していた。
そんなある日、勤務中にケガをした社員を病院に連れて行くことになった。労災で社員を病院に連れて行ったことはなかったが、難しいことはないはずなのでとにかく行った。
病院に到着して窓口で事情を説明したら、なんの不都合もなく手当が開始された。
その間俺は診察室の外で足を組んでケータイでフェイスブックを見ながら待っていた。

「今治療受けとんのけ?」

突然野太い声が耳元で響く。
驚いて顔を上げるとなんと先輩だー。なぜここにーっ!
俺の動揺に気づく様子もなく、先輩はこの後の病院での手続きの方法を説明し始めた。

「それを言いにここまで来てくれたんですか?」
「いや、一回教えたけど、あれかなり前やったやろ?・・・じゃあ帰るわ。」
「あ、ありがとうございました!」

<その時の俺の気持ち>
なぜ教えに来た?新手の嫌がらせか?いや、どう悪意的に解釈しても、助けられた?
なんだよ、やめろよ。借り作ったらもう敵意持てねえだろが。
俺たちは戦っててWe can't stop状態じゃなかったのかよ。
畜生、冷戦ってなんだ、俺は何やってたんだよ。



【次回予告】
己の認識に疑問を持ち始めた俺。
これから職場の人間関係をどのように捉え直すのか。
果たして先輩は天使なのか悪魔なのか。
俺はカオスの中で自分の立ち位置を定めることができるのか。
乞うご期待!



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初回更新:第1話・第2話・次回予告(2012年8月13日:オリンピック閉幕)