| |
時間の感覚
00年3月
時々生まれ変わったら何々になりたいという話を耳にする。そんな時、
昆虫や植物にとっての人生はどんな感じなのかと気になる。僕は今まで
1秒という人間が定めた単位にそった時間の流れの中で人間生活を送って来たわけだが、他の生物たちは時間をどんなふうに感じているのだ
ろうか。人間にとっての1秒という時間は蛇も同じ長さに感じている
のだろうか。蛍やアリを始めとするほとんどの昆虫や動物の一生は、
人間よりも明らかに短い。だが彼らにとってはそれが当たり前の長さ
なのだろう。そして彼らなりに満足のいく一生を送っているのだ。
人の常識が通用しないのは分かっているが、僕には彼らがその短いと
思ってしまう一生になぜ満足しているのかが理解できない。
だからきっとそれぞれの生物にはそれぞれの時間があるの
だろうと思った。なぜならば、もし彼らが僕らの状況を知ったとき、
もっと生きたいと願うだろうと思うからだ。時間だけは万物に平等
だと言われるが、たとえ同じ時間であっても時間感覚は違っていると
僕は思う。そして時間の長さは生物それぞれが決めることであるとも思う。それは同じ人間同士でも違っているはずで、例えば楽しい時は
時を忘れると言うし、つまらないと時が経つのが遅いと感じる。それ
は無意識のうちに認識している時間を没頭することで忘れることが出来
るという証明なのだ。人生の長さは人生の集中度によるものだと思う。
100年生きても短かった〜と思う人がいるだろうし、30歳で死んでも人生長いなぁと思う人もいただろう。それは周りの人にとっての共通の100年や30年ではないのだから。僕が思うに最期に短かったと思える人生は、濃く充実した満足できる人生なのではないか。だから僕は時間的には長生きしたいし、それでも短かったと思えるような人生を歩んでいきたいと思う。ただ、短かった人生というのは何となく心残りがありそう
なのが気になる所ですが・・・。